性的行為により広がっていく感染症をかつては性病と呼んでいましたが、近年その疾病構造が変化してきたことから、性感染症(STD)と呼び変えられるようになっています。以前の梅毒や軟性下疳といったものは少なくなり、クラミジア感染症や性器ヘルペスなどが増加しています。厚生省では、これらの他、平成11年4月より施行された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき、尖圭コンジローム、淋菌感染症の4疾患について全国に約900の定点病院を指定し、毎月集計を行っています。それによりますと平成13年6月には性器クラミジア感染症が9443件、淋菌感染症が1710件、性器ヘルペスウィルス感染症が777件、尖圭コンジロームが442件報告されています。
福島県内には7つの保健所地域(郡山市、いわき市、南会津、県北、県中、県南、会津、相双)にいくつかの定点があり、平成11年4月から12月までの報告数はそれぞれ350件、209件、40件、60件となっており、クラミジア感染症と淋菌感染症が特に多くなっています。クラミジア感染症と性器ヘルペスは女性が多く、淋菌感染症は男性が多くなっています。地域別では郡山市保健所管内がいずれの疾患においても報告件数が多くなっています。またこれらの性感染症(STD)は20才〜24才が最も多く、15才〜19才、25才〜29才の順になっており、性行動が活発な若い世代の感染が目立ちます。実際、我々産婦人科医の診療現場でも若い人たちのクラミジアや淋菌感染症が多いと言う声をよく聞きます。これは無症候性感染がかなり多いということも一因になっています。即ち感染者本人が自覚しないままに性交渉によって相手に移してしまっているということなのです。
クラミジア感染者は性器の炎症に対する防御能低下によりエイズにかかりやすくなると言われていたり、女性の場合は将来不妊症になることもあるなど注意が必要です。
エイズに関しましては、週間衛生ニュースによりますと、福島県では本年6月24日現在で、HIV感染者は累積で24例、エイズ発症者は12例、今年の3月から6月までの間に2例の発症者をみております。 |