乳がん・子宮がん検診を受けましょう
坪井病院(郡山市)婦人科
坂 本 且 一
図12は乳がん・子宮がんの年間の死亡者数の推移を示したグラフですが、全国・福島県ともにほぼ同じ傾向にあることが分かります。子宮がんの死亡者数は年々減少しているのに対し、乳がんの死亡者数は増加が著しく、ここ40〜50年間で5倍以上になっています。
 日本人の乳がんは欧米人に比べると非常に少なかったのですが、欧米と差が大きかった閉経前の乳がんが増加しています。乳がんの発生には遺伝子的素因も無視できないのですが、ホルモン状態も密接に関係しており、最近の増加の原因として、初潮年令の低下、閉経の遅れ、高齢出産、少産、欧米型生活習慣(高脂肪、高蛋白、肥満)などがあげられています。
 子宮頸がんは罹患・死亡数ともに低下していますが最近では罹患率の低下が鈍化しているといわれています。私どもの坪井病院では治療者数はもちろん増加しており(図3)、とくに20〜30歳代の患者さんが極端に増えているのが特徴です。(図4)。子宮頚がんの発生によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が深く関係していることが解ってきており、子宮頚がんの年令分布のグラフは性行為感染症のそれと同じパターンを示しています。子宮頚がん検診で細胞に異常のみられなかった人の数%〜10数%にHPV感染が認められ、20歳代では20%を越えるという報告もあります。しかし、HPV感染者が必ず子宮頚がんになるわけではなく、喫煙などのほかのリスク要因が加わって癌ができると考えられています。一般に癌は老人の病気の様に思われていますが、子宮頚がんに関しては性交の機会が多い若い人のほうが高危険群であることを理解していただきたいと思います。
 
子宮体がんも乳がんと同じく最近増加しています。全子宮がん(頚がん+体がん)に対する子宮体がんの割合は20年前の10%〜30%と増えており、乳がん発生要因と同様の女性ホルモン過剰状態が危険因子とされています。閉経期前後の不正性器出血は自己判断しないで専門医を受診されるようお勧めします。


 


図1.乳がん・子宮がんの死亡者(全国)

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図2.乳がん・子宮がんの死亡者(福島県)

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図3.子宮頸癌の進行期(坪井病院)

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図4.子宮頸癌の年令分布(坪井病院)

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